生音依存症

生が良いの

2016/2/20 新日本フィルハーモニー交響楽団 #554 定期演奏会

出演

指揮:広上淳一
ヴァイオリン:米元響子*

プログラム

アッテルベリ作曲 交響曲第6番ハ長調『ドル交響曲』 op.31
モーツァルト作曲 ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207 *
グリーグ作曲 『ペール・ギュント』第1組曲 op.46、第2組曲op.55

会場

すみだトリフォニー大ホール

聴いた席

A席(二階席中央)

感想など

遅れてしまい、アッテルベリの「ドル交響曲」第二楽章からホールの中で聴いた。この作品は知らない作品だったが、なかなか佳作だった。書かれた時代を考えると古典回帰的な作風と言ってよいのか、構成もオーケストレーションもすっきりしている。第二楽章の深い抒情性も良いし、第三楽章など、わざとらしいくらい陳腐な楽想を使いながら綿密に構成されていて飽きずに聴けた。広上さんの指揮ぶりは、第二楽章で弱音でも盛り上がってきても同じくらい大きく円を描くように振っていたのが印象に残っている。新日フィルはいつもよりもよく鳴っている気がした。雨降ってたのに。
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲はモーツァルトといえどもまだまだ若い時期の作品だなあ。米元さんのヴァイオリンは適度な鋭さがあって良かった。伴奏はもうちょっと弦が軽い方が好み。
メインの「ペール・ギュント組曲は「いくつか知ってるメロディがある」くらいの曲だったけれども、率直に言って、ひねりもなく同じ楽想が繰り返されてつまらない曲だなあ……と思った。どう演奏されても自分の好みではなさそうだ。
オーボエの客演奏者の高崎さんという方が印象に残ったけれども、普段は群響で吹いている方らしい。群響もそのうち聴いてみたい。

来年のラインナップ

新日フィルの来年のラインナップのチラシがパンフレットに挟まっていた。
この楽団は在京オケの中でも先鋭的なプログラムを組む団体だったけれども、来シーズンは井上道義氏がオール武満プログラムを組んだくらいで、非常にオーソドックスなプログラムが並んでいる。個人的にはこれまでの方が食指を動かされるものが多かった。かなり急激な方向転換に思えるけれども、どういう経緯でこうなったのだろう。新音楽監督の上岡氏の意向が強いのかな。
客演指揮者の顔ぶれもかなり変わったしで、なかなかどう転ぶのか予想がつかない。